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五劫院

アフロ阿弥陀さまこと「五劫思惟阿弥陀仏坐像」
写真提供:奈良市観光協会

【五劫院(ごこういん)】

 

鎌倉時代、東大寺を再興した俊乗坊重源(しゅんじょうぼうちょうげん)が、宋より招来した善導大師の御作「五劫思惟阿弥陀仏坐像(ごこうしゆいあみだぶつざぞう)」を祀るためにお堂を建立したのが「五劫院」の始まりとされています。正倉院や転害門の北側に位置する東大寺の末寺で、現在の本堂は1624年に再建されたものです。特別開扉時以外の拝観は事前予約が必要となっています。

 

本堂に祀られるご本尊の五劫思惟阿弥陀仏は、アフロヘアのように盛り上がった沢山の螺髪で覆われた髪型が特徴的です。四十八の大願を成就するため、剃髪をすることなく「五劫(ごこう)」という非常に長い間修行を行っている姿をあらわしています。ちなみに「劫」とは時間の単位で、上下四方が四十里もある大磐石を3年に一度羽衣で軽く払って、その石が磨滅してもまだ終わらない時間、つまりは永遠や無限をさすものとされます。五劫思惟像は全国でも珍しく、奈良では東大寺勧進所や十輪院などでしか見ることが出来ません。

 

宗派:華厳宗
重要文化財:五劫思惟阿弥陀仏坐像(ご本尊)

 

<主な年中行事>
◎8月上旬 特別開扉(一般公開)