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葛木坐火雷神社/笛吹神社(葛城市)

火の神様、音の神様を祀る古社。『鬼滅の刃』ファンの間では“聖地”として知られています。
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葛城山の東麓に鎮座する葛木坐火雷神社(かつらぎにいますほのいかづちじんじゃ)/笛吹神社(ふえふきじんじゃ)は、火雷大神(ほのいかづちのおおかみ)と天香山命(あめのかぐやまのみこと)を主祭神とします。元は別々に祀られていたとされますが、平安時代の「延喜式神名帳」に「葛木坐火雷神社二坐並名神大月次相嘗新嘗」と記されていることから、当時は既に合祀されていたようです。

 

火雷大神はその表記の通り、火の神様。人類は火とともに文明を築いてきました。火はいつの時代も日々の生活の必需品です。しかし、粗雑に扱ったり、扱いに油断したりすると、火事などの惨事を引き起こしかねません。葛木坐火雷神社に向き合うと、「火」に宿る力や有難さに気づかせてくれます。

 

一方、天香山命はその子孫が立てた功により、崇神天皇から天磐笛と笛吹連(ふえふきのむらじ)の名を賜ったとされ、「笛」の字から、音楽の神様として信仰を集めています。

 

境内で目を引くのは、イチイガシの社叢や大砲でしょう。

この大砲は日露戦争後に明治政府より奉献されたもの。同様の大砲は各地の神社などに散在していたようですが、後の大東亜戦争に多くの鉄材が接収され、現存する大砲は貴重です。

 

また、葛木坐火雷神社は令和初期に漫画・アニメ・映画で一世を風靡した『鬼滅の刃』の“聖地”としても注目を集めました。鬼滅の刃の作中では所在地も社名も一切登場しませんが、作中人物が繰り出す大技「火雷神」と結びつけて、全国各地からファンが訪問。現在も時々ファンが写真撮影などに来るといいます。

 

社務所では「火守」「鎮火守」「音守」など、お守りやお札を授かることができます。