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奈良ぶらの山歩き②「高円(たかまど)山」

NARABURAの山歩きガイド第2弾は、高円山。標高432mの登りやすい山です。奈良の夏の風物詩、奈良大文字送り火の「大」の字の火床(ひどこ)が目印で、奈良公園や平城宮跡からもすぐに見つけられます。

奈良公園の東に連なる山並みは、阿倍仲麻呂が「天の原 ふりさけみれば 春日なる 三笠の山に いでし月かも」と望郷の思いを詠むなど、古くから歴史に登場する山々です。若草山が知名度・人気・訪問者数で他の山を引き離していますが、高円山(標高432m)も「大文字の送り火の山」として存在感を放つ山です。登山者は1年を通して少なく、雑木林を歩く軽登山をハイキング気分で楽しめます。
奈良奥山ドライブウェイ・新若草山ドライブウェイとつながる高円山ドライブウェイ沿いに「高円山頂上展望所」が設けられています。

スタート

1 春日大社・新薬師寺

世界遺産の春日大社を出発点に設定。山行の無事をお祈りしてから、若宮神社や夫婦大国社などをめぐって、「上の祢宜道」を高畑方面へ。少し寄り道して、奈良時代の天平19年(747年)に聖武天皇の病気平癒を祈って光明皇后が創建した、新薬師寺も参拝します。ご本尊の薬師如来坐像(国宝)と、それを守護する十二神将(国宝、一部補作)をお参りし、勇気をいただいてから登山口へ向かいます。

2 高円山登山口

寺山霊園を過ぎたところに東海自然歩道の道標が立ち、左へ「天理 円照寺」、右へ「白毫寺 奈良」とあります。高円山への登山口へは「左」をチョイス。200mほど行くと、左手に登山口が開いています。目印は木製の立て札。判読しづらいですが、万葉集に収められた大伴坂上郎女の「ますらをの高円山に迫めたれば里に下りけるむざさびそこれ」です。ここから大文字送り火の火床をめざします。

 

 

3 高円山への登山道

序盤は緩やかな上り。沢を渡ったり、クヌギやエノキの大木を見上げたり、山を登っているというより、ハイキングを楽しんでいる気分です。低山ですし、ほぼ一本道なので、勝手に「初級コース」と思っていますが、勾配は少しずつ角度を上げていきます。倒木をまたいだり、くぐったりする箇所もありますが、これをアトラクションだと思えるくらいだと、高円山への道も苦になりません。

脚や呼吸がきついと感じる人もいるかもしれません。こまめに休憩や減速、おやつ補給を入れながら登ると、体力的な余裕をキープすることができます。

登山口から、ゆっくり登って90分、早い人なら60分を切るタイムで、大文字送り火の火床に到着します。

 

 

4 大文字の火床

最後の急坂をクリアすると、視界が開け、「大」の左下のはらいの先端に着きます。芝生が短く広がるスペースは開放感があり、奈良市街を見渡せる景観も爽快です。若草山とほぼ同じ方角を眺望していることになりますが、ひと味違うパノラマが広がります。奈良市民でも、若草山は登ったことがあるけれど、高円山はないという人は多いかもしれません。

「大」の字は、やはりスケールが大きく、現場に立つと、「大」であることを知っていなければ、何の形、何の字であるのか、わかる人は少ないでしょう。前夏の燃え尽きた炭、万が一の時の非常消火水などが、ここが火床であると教えてくれます。

「大」の“交差点”あたりに、奈良大文字送り火がなぜ行われるようになったかを記した「奈良大文字送り火由来」の碑が建てられています。

眺望を味わったり、お弁当やおやつを食べたり、写真を撮ったり。ここでは急がずゆっくりとした過ごし方がおすすめです(晴れていれば尚さら)。

 

 

大和の伝統行事② 奈良大文字送り火

5 高円山三角点

「大」の字の頂点にあたるところから再び雑木林道を進みます。それほど時間をかけることなく、二等三角点がある場所に到着。雑木林に囲まれているので、眺望はまったくありません。三角点=頂上ではありませんが、三角点到達は山歩きのいい区切りになります。

 

6 下山

三角点から登山口まで、下山は約60分。道が乾いていると滑りやすいので、慎重さも必要です。往路の登山口の紹介で、ここの立て木札に「むざさび(ムササビ)」が登場することを記しましたが、今回、下山したときに迎えてくれたのは、キツネでした。警戒心が強い野生動物ですが、このときはキツネの方から20mほどまで近づいてきてくれました。

7 白毫寺

下山したら、白毫寺へ。山門までの長い階段と、それゆえの優れた眺望と、五色椿と閻魔像で知られています。白毫寺の山号は「高円山」と書いて、「こうえんざん」と読みます。高円山から下りてきたら立ち寄ってほしい古刹です。

8 春日大社

「上の祢宜道」を歩いて春日大社本殿へ。山行の無事を報告します。

高円山は標高が低く、児童・学生でも気軽に登れる山です。しかし、若草山ほど登山者は多くなく、のんびりと静かに山歩きを楽しみたい人は、ぜひ一度トライしてみてください。

お疲れさまでした。

ゴールお疲れ様でした!

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