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奈良の名山を登る 大台ヶ原(日出ヶ岳)

奈良の大自然を歩こう! 大いなる森で楽しむトレッキング。トウヒやコケなどの幻想的かつ雄大な森。「東大台地区」は事前申請等なしで立ち入ることができます。雨具や防寒などの装備は万全に。

奈良県の魅力といえば、「歴史・文化」と「大自然」でしょう。大自然?と意外に感じる人もいるかもしれませんが、都道府県別森林率を比べると、高知県(84%)を筆頭に、島根県、岐阜県、長野県、山梨県と続き、全国第6位が奈良県(77%)なのです(林野庁/平成29年3月31日現在)。

 

大自然へ行こう!という日の天候、ほとんどの人が「晴れ」を期待するのではないでしょうか。けれども、奈良県には「雨」が似合う大自然があるのです。

 

それが、大台ヶ原です。標高1695mの日出ヶ岳を最高峰にして広がる、標高1400m~1600mの高台地を指します。奈良県上北山村と三重県大台町が県境を成し、大台ヶ原ビジターセンターは上北山村にあります。

 

「雨」が似合う理由は、降水量にあります。年平均降水量は3500㎜超に達し、「1年に400日雨が降る」とか、過去のNHK番組で「一日で東京の一年分の雨が降ったこともある」とか、その多雨の実績は伝説になっています。環境省のサイトでも「大台ヶ原は、屋久島と並ぶ日本で最も雨の多い地帯です」と紹介されています。

 

大台ヶ原を気軽に、かつ、心ゆくまで満喫するには、トレッキングが最適です。西大台利用調整地区に入るには、事前の予約・立入申請書・手数料・レクチャー受講が必要ですが、東大台地区は手続きなしで入ることができます。

 

“期待通り”の雨と霧の中、さあ、東大台地区へ。ルートは歩きやすく整備されており、ボードウォークが設置されている区間もあります。ルート外への立ち入りや歩行は制限されているので注意してください。

 

周囲を見ると、トウヒ、ウラジロモミ、ブナ、ミズナラなどが樹林を形成し、ツキノワグマや二ホンジカ、ニホンカモシカ、多種多彩な野鳥、貴重な両生類などの動物が生息する気配もあちこちから漂います。大台ヶ原を特徴づけるコケ類やササ類の群生も広がり、V字の渓谷や絶壁などの地形は雄大な景観をつくって畏怖を誘います。

 

日出ヶ岳の頂上を踏みしめた後、正木ヶ原や牛石ヶ原を経由して、大蛇嵓(だいじゃぐら)へ。文字通り、大蛇が鎌首をもたげているような巨大な岩塊で、大台ヶ原を象徴する名物になっています。

 

その道中、無数の立ち枯れがありました。幻想的といえば、そういえなくもありませんが、やはり自然の「死」の風景は寒々しく感じられます。昭和30年代は伊勢湾台風や第2室戸台風による風倒被害が見られ、近年はその他さまざまな要因から森林衰退が目立っています。そのため、大台ヶ原は吉野熊野国立公園の特別保護地区に指定されています。

 

貴重さは壊れやすさと隣り合わせです。いつまでも、いつまでも、大いなる森であってほしいものです。

 

※大台ヶ原のトレッキングルートMAPや天気予報など詳細な情報は、上北山村サイトの観光情報ページで見ることができます。


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