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◎春が香る奈良の花めぐり2

~春の花まみれ~

立春が過ぎると、春が待ち遠しくなってきます。

春が心を浮き立たせる理由のひとつに「花」があります。

冬の寒さが和らいでいくのを肌感覚で知れることに加え、

野を飾り立てる華やかな色彩の広がりも、春の引力です。

 

春に楽しめる花といえば、桜が日本代表ですが、

桜以外にも今が盛りと咲く花たちがあります。

3月中旬から4月後半まで、春を爛漫に彩る花たちを巡ってみましょう。

 

◇菜の花

(藤原宮跡、2022年3月29日撮影)

 

藤原宮跡の一角を埋める黄色い花々。奥に見えるのは畝傍山です。

写真は曇天ですが、青空だとピカピカに映えそうです。

「ナノハナ」という名の花はなく、アブラナ科アブラナ属が咲かせる花を「菜の花」と総称しているのだそうです。代表格はセイヨウアブラナ。キャベツ、小松菜、水菜、ブロッコリー、白菜なども、花茎が伸びる前に収穫して食べてしまうのでなかなか気づきませんが、総称としての「菜の花」です。

菜種油を取るほか、食用としても春の食卓を彩ります。

奈良県内でも菜の花畑が見られるスポットが各地にあり、藤原宮跡、明日香村稲渕、天理市竹之内などがよく知られています。

 

四季を花で楽しむ「藤原宮跡の花景色」記事はコチラです。

 

 

◇ムスカリ

(水上池、2022年3月28日撮影)

 

歩いている足元にふと視線を落とすと、青色、青紫色、瑠璃色をした小さな花に気づきます。地面から花の突端までほんの10㎝ほど。ムスカリです。一般的に球根性で、群生しやすいようです。

花言葉をひもとくと、ムスカリは二面性を持っている花のようで、「寛大な愛」「通じ合う心」「明るい未来」と知ると嬉しくなる花言葉がある一方、「失望」「絶望」「悲嘆」「憂鬱」など頭を抱えてしまいたくなる言葉も持っています。謎です。

園芸花として植えられているところもありますが、自生(おそらく元々人の手によって植えられていたものが自生化したものだと思われます)では、奈良市内では水上池周囲や佐保川の土手などを散歩している途中に見つけることができるでしょう。

 

バードウォッチングも楽しめる憩いの水辺「水上池」記事はコチラです。

 

 

◇ユキヤナギ

(耳成山公園、2022年4月5日撮影)

 

漢字で書くと「雪柳」。名は体を表すの通り、雪の一片のような小さな白い花を、細く枝垂れた枝にびっしりとつけます。特に香りませんし、枝が暴れている株もありますが、公園や庭植の花木として根強い支持を得ています。日本原産ということは意外と知られていないかもしれません。

ユキヤナギは各所で見られます。桜と一緒に観賞できる耳成山公園(橿原市)、海龍王寺(奈良市)、しきのみちはせがわ展望公園(田原本町)などがおすすめです。

 

ユキヤナギで境内が華やぐ名刹「海龍王寺」記事はコチラです。

 

 

◇花桃

(明日香村、2022年4月5日撮影)

 

花を楽しむために改良された桃の木。桃の節句に飾られる花としても知られます。

小さな実をつけますが、食用には不向きです。

中国原産で、日本では江戸時代から活発に品種改良されてきました。

明日香村の飛鳥川沿いに整然と並んでいるところがあり、紅、白、赤、ピンク、それぞれの濃淡と明暗、様々な色合いを見ることができます。

 

日本遺産「日本国創成のとき」構成文化財の「飛鳥川」記事はコチラです。

 

 

◇梨

(大淀町、2022年4月6日撮影 ※許可を得て果樹園内で撮影しました)

 

春の花を紹介していますが、幸水、豊水、二十世紀、あきづき、新高、新興、南水…と梨の品種を挙げていくと、春夏を通り過ぎて、秋を待望する気分になってしまいます。

果物としての梨が好きな方でも、花を観賞したことがある人はどのくらいいるでしょうか? 他の果物でもそうですが、人気の果物ほど、花は見過ごされがちであるような気がします。

梨の花は桜に似ています(形状も時期も)。ただ、桜のように至る所にというわけにはいきません。果実を育てて収穫し、出荷するために果樹園で見られるのがほとんどです。奈良県で梨栽培が盛んな大淀町ではこの季節、道路からでも白い可憐な花々を見つけることができます。

 

 

◇チューリップ

(馬見丘陵公園、2022年4月10日撮影)

 

♪さいた~さいた~♪と、おとなから子どもまで多くの人が口ずさめるチューリップの歌。あか・しろ・きいろ、以外にも実に多種多様なチューリップが春を彩ります。

奈良県でチューリップの壮観を楽しめるスポットといえば、県営馬見丘陵公園です。例年4月上旬に開催される「馬見チューリップフェア」の2023年のチラシには「開催最大級 約65万株のチューリップ」とうたわれています。

それが大げさに思えないほど、園内各所にチューリップが凛と立ち、花の色ごとに整列して植えられていたり、様々な色がまじりあって植えられていたり、とにかく壮観なんです。土を耕し、球根を一つずつ植えていった労に感服します。

 

四季折々の花や自然を満喫できる「県営馬見丘陵公園」記事はコチラです。

 

 

◇カリン

(馬見丘陵公園、2022年4月10日撮影)

 

「カリン」と言うと、黄色く熟した大ぶりな果実や、のど飴を思い起こす人が多く、カリンの花を知っているという人はあまり多くないかもしれません。

カリンの花は淡いピンク色をしていて(白色などもある)、春をほんのりと染める可憐さを持っています。まとまって植えられていることは少なく、多くは庭に1本、畑地に1本という単体で見られます。県営馬見丘陵公園では数本が近接して植えられている場所があり、花の競演を楽しむことができます。

 

 

◇ハナミズキ

(広陵町、2022年4月20日撮影)

 

穏やかな色合いの白やピンクが特徴の樹木。約110年前に日本からアメリカ・ワシントンに寄贈した桜の木の返礼プレゼントとして日本に入り、各地に広まりました。

花びらのように見えるのは、実はそれではなく、花を囲むように特殊変化を遂げた葉っぱ=総苞(そうほう)だそうです。

個人宅のシンボルツリーに植えられるハナミズキも見られますが、馬見丘陵公園に沿う県道14号など、街路樹として並木風景をつくる所では、この季節が最も華やぎます。

 

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