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白毫寺

奈良盆地一望の景勝地。萩と五色椿で有名。
写真提供:白毫寺

【白毫寺(びゃくごうじ)】
 天智天皇の第七皇子である志貴皇子(しきのみこ)の離宮を寺としたのが白毫寺と伝わりますが、空海の師として知られる僧正勤操(ごんそう)の寺、岩淵寺の一院とも言われます。創建の由来は他にも諸説あり定かではありません。
 鎌倉時代の半ばになり、真言律宗の祖で知られる名僧、興正菩薩叡尊(こうしょうぼさつえいそん)により再興されました。その後、室町時代の明応6年(1497年)戦乱の兵火で全焼しますが、江戸時代になり興福寺の空慶上人によって再興されています。阿弥陀三尊などを祀る本堂は、このとき建立されたものとみられています(奈良市指定文化財)。
 昭和58年(1983年)に建立された宝蔵には、重要文化財に指定されている仏像八体がおさめられ、かつてあった閻魔堂のご本尊である閻魔王坐像や司命・司録像など閻魔一族に出会うことが出来ます。中でも閻魔王と一対の作である太山王坐像は、運慶の孫である大仏師法眼康円の作とされ、たいへん貴重です。
 高円山の麓で高台にあるため、西を望めば奈良市街を一望することができ、夕陽を眺めるスポットとしても有名です。また、境内に植わる椿の古木は「五色椿」(奈良県天然記念物)の名で知られ、春には白や紅の花が1本の木を彩ります。樹齢400年を超えるこの銘木は、東大寺開山堂の「糊こぼし」、伝香寺の「散り椿」とともに大和の三名椿(めいちん)のひとつです。

 

宗派:真言律宗
重要文化財:阿弥陀如来坐像(ご本尊)/地蔵菩薩立像/伝・文殊菩薩坐像/閻魔王坐像/太山王坐像 他

 

<主な年中行事>
◎1月16日 えんまもうで
◎2月節分 星供加持祈祷
◎4月8日 一切経法要・花まつり
◎敬老の日 志貴親王御忌(献花式)

 

<関連リンク>
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