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令和5年度企画展「幻の大陸日本語文学 池田克己とその時代Ⅱ」(奈良大学博物館)

2024年1月22日(月)~2024年4月27日(土)
【入館無料】詩人・池田克己による文学資料を展示。戦時下の上海・中国大陸で刊行された邦人文学雑誌、漫画、書簡など初公開多数!

戦前・戦中・戦後の日本と中国で文学活動をした詩人の池田克己(1912-1953)が出版に携わった雑誌、図書、書簡、さらに戦時下の中国大陸各都市で発行された邦人雑誌など73点の資料が公開されます。

 

池田克己は奈良・吉野出身。戦前は吉野で『豚(とん)』をはじめ多くの詩集を刊行。日中戦争で中国に渡り、邦人文学者らと上海文学研究会を結成して『上海文学』を創刊しました。戦後は日本最大級の詩人結社「日本未来派」の設立・運営に携わるなど、日本と戦後中国の詩壇で中心的な役割を務めました。

 

今回の企画展では、池田の文学活動の足跡をたどるとともに、戦時下の上海および中国各地域で刊行された日本語文学資料も展示。その多くは占領地、植民地で刊行されたもので、敗戦後に廃棄などされたものが多かったため、今回展示公開されるものは貴重な図書・資料ばかりです。

 

<主な展示資料>

■『上海文学』(創刊号~第5号/1943年4月~1945年5月)

文化統治政策の一環として発行された戦時上海唯一の邦人文学雑誌。なかでも第2号『上海文学 夏秋作品』は現在展示本以外は発見されていません。その他の4冊も展示本以外のものが上海図書館で所蔵されていましたが、現在は所在不明となっています。

 

■『長江文学』(創刊号:1941年6月/第5号:1942年5月)

上海文学研究会の前身である長江文学会の発行。今回展示される2冊しか現存が確認されていません。

 

■『黄鳥』

特別出品される『黄鳥』編集原本。草野心平ら戦時南京に居留した詩人の作品掲載のほか、編集者の書き込みなどもあり、日本統治下の南京の文芸文化の実態が刻まれた貴重資料です。

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