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【奈良の珍百景】大城橋(潜水橋・沈下橋)/斑鳩町・河合町

水面すれすれの橋。増水時には川に沈んでしまう潜水橋の珍風景。

国土交通省「道路統計年報2019」によると、奈良県の橋梁は2362ヵ所(橋長15m以上)あります。古来、橋は人・物が行き交う建造物であると同時に、水辺の景観や町の発展に影響する文化的な側面も持ってきました。奈良県十津川村に架かる「谷瀬の吊り橋」は、地元住民の生活に欠かせない橋であると同時に、観光資源としても重要な橋です。

 

橋にもいろいろな構造形式(床版橋、桁橋、アーチ橋など)がありますが、高知県の四万十川や大分県に多く見られる潜水橋(沈下橋)は、特に人の興味を引く橋です。

 

潜水橋は、河川の増水時に水面下に沈み、損傷や破壊を免れる構造の橋ですが、奈良でも一つ、潜水橋を見ることができます。一級河川・大和川に架かる大城橋(だいじょうばし)です。沈み橋などとも呼ばれ、法隆寺があることで有名な斑鳩町と、南接する河合町をつないでいます。

 

幅約2mで、欄干はありませんが、徒歩や自転車はもちろん、自動車も通行可能です。ただし、軽自動車や小型自動車でなければ、脱輪、転落のスリルで冷や汗をかくことになります。

 

観光や見学が目的であるなら、徒歩で渡るのがおすすめです。目線と流れが近いため、川をより身近に感じられ、河川敷の花や緑、水鳥や甲羅干しするカメなども見ることができます。すぐ下流に架かるJR大和路線の鉄橋も、橋の上からの風景として見逃せません。歩行中、自動車が来た場合は、橋の途中にある広めの“出っ張り”に避難しましょう。

 

季節や時間帯を見計らって、映える写真を狙うのもいいかもしれません。

 

水位が平常であれば、珍しい橋のある風景をのんびりと楽しみ、増水時は通行を控えてください。


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