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ウワナベ(宇和奈辺)古墳

平城宮跡や法華寺からひと足延ばして訪ねたい、ある皇后の陵墓参考地。

国道24号を木津川市方面へ向かい、奈良市立一条高校を過ぎると左手に見える古墳。一帯は古墳が多く、佐紀盾列古墳群といわれ、ウワナベ古墳はその東端にあります。大きさ日本一の大仙陵古墳がある堺市が公表している資料によれば、ウワナベ古墳の全長は255mで、全国13位。しかし、別資料には全長205mとあり、それだと全国ランキングは30位台に下がってしまいます。

 

大きさ競争は別として、被葬者は明らかになっていません。宮内庁は八田皇女として陵墓参考地にしています。八田皇女とは、仁徳天皇の2番目の皇后です。『日本書紀』によると、最初の皇后・磐之媛命は八田皇女が後宮に入ることを拒みました。そのため、八田皇女が仁徳天皇皇后になったのは磐之媛命の死後のことだそうです。

 

しかし、仁徳天皇陵とされる堺市の大仙陵古墳との距離を考えると、ご夫婦が眠る場所としては離れすぎている気がします。一方で、八田皇女が妃になることを拒んだ磐之媛命の陵墓が北西すぐの位置にあります。なにやら深い事情がありそうですが…。

 

そんな不思議を感じさせるウワナベ古墳は、法華寺や海龍王寺、不退寺、あるいは平城宮跡から徒歩でアクセスできます。大極殿見物や古刹参拝とあわせて、ひと足延ばしてみてください。
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